昭和の高度成長期手前の時代から年齢を重ねてきているからでしょうか。最近の流行歌は、斬新な曲風とエネルギッシュにあふれている感じはしますが、歌詞が複雑で情感をイメージしづらく、また曲も歌唱域が広く、メロディーやリズムがハイテンポかつ高度で、歌いきる難しさを感じます。また、一部のさびの部分のメロディーや歌詞以外は記憶に残らずに、覚えきれないまま新しい歌が次々と登場してきます。
さて、「レクリエーションは生きる喜びづくり」をモットーに展開するレクの活動では、いつも自分の隣に歌の存在があります。いつでも、どこでも、だれでも、だれとでも唱えるシンプルなレクソング。正式な定義は分かりませんが、フォーク、童謡、唱歌、手遊び歌など総体的に誰もがみんな唱える歌なのかなと思います。鼻歌で一人でも口ずさむ。仲間と自由自在にハモリながら盛り上がる。これらの歌は何回も唱い続けられ、昭和に生まれた歌であっても決して色褪せずに頭の中に残っています。
レクリエーションは、英語のre-creation=再創造という語源を原点に、レクの世界では多くのオリジナルソングが創られています。
専門的に曲や詩を学んだわけでもないアマチュアといわれる人たちが、日常生活での出来事、仲間への応援メッセージ、山・川・花・草等の自然、ふるさとなどをテーマにレク流の遊び心を武器に気ままに作詞する。楽器の使えない人でも口笛やハミングで自由にメロディーを表現し、楽譜を誰かに託する。詞しか書けない、作曲だけはできる人同士がコラボして新たなオンリーワンの歌を創る。
歌に込めた思いを届け、仲間を励まし、皆で心楽しく唄える手づくりの歌。そして、こうした人々による多様な営みが様々なフィールドで創られ、そしていつの時代にあっても唱い続けられた歌が、次世代に手渡され、つながれるよう希望して…。
次回(その2)は、アシレクのうた「あなたとともに」(1996年作)を紹介します。